2022/03/18
電気工事士の資格。第一種と第二種の違いとは?資格取得方法や仕事内容、年収について比べてみよう!
電気工事を行う際に必要となるのが『電気工事士』の資格です。この資格は国家資格となり、「第一種電気工事士」と「第二種電気工事士」の二つに分かれています。資格取得の難易度や活躍の幅を比べてみて、これから取得する方はどちらから取るのが自分に合ってるか参考にしてみてください!
資格取得までの違い
第一種電気工事士・第二種電気工事士、試験内容は共に筆記試験と実技試験が出題されます。第二種よりも第一種のほうが業務範囲も広くなるため、必然的に覚えることも多くなります。出題範囲も広くなる為、難易度は第一種電気工事士のほうが高くなります。
受験するにあたって必要となる資格はどちらも特にないので挑戦しやすいでしょう。
では、一種・二種の筆記と実技の平均合格率を見てみましょう。
一種の合格率
- 筆記試験:平均40%
- 実技試験:平均60%
二種の合格率
- 筆記試験:平均60%
- 実技試験:平均70%
上記を見ると実技試験はさほど差は無いのですが、筆記試験で合格率に差が出ています。第二種を取得せずに第一種から挑戦する場合は、筆記試験の対策が合否の鍵となるでしょう。
また、実技も同様に第一種のほうが難易度は上がるので実技試験用の練習キットなどで事前準備は更に必要となります。教材費の負担も減る為、会社で練習できる環境がある方は会社で練習したり、自分の工具を持参するといいでしょう。
第一種電気工事士の免状交付
受験資格は特に無いと前述しましたが、第一種に関しては資格を取得したことの証明になる免状の交付を受ける必要があります。
交付条件として
- 電気工事の実務経験5年以上
- 電気工事士の実務経験3年以上+大学または高等専門学校で所定の家庭を修め卒業していいること
以上2点のうちいずれかを満たしている必要があります。
仕事内容の範囲
資格により、行える業務の範囲は異なってきます。電気工事の中には特殊な工事も一部ある為、より多くの範囲を行える第一種を取得しているからと言ってすべての工事が行えるわけではありません。
ここでは一般的な電気工事の中で、第一種と第二種で行える範囲の違いについてご説明します。
第二種の業務範囲
第二種を取得していると、「一般用電気工作物の電気工事の作業に従事することができる」と定められており、600ボルト以下で受電する一般家庭用設備の工事を行えます。
一般的な住宅や小規模のお店・事業所などの施設で屋内配線工事・外線の配線工事などの「建築電気工事」と、変電設備工事や線路工事駅の設備工事などの「鉄道電気工事」が可能です。
第一種の業務範囲
第一種は第二種の範囲に加えて、戸建てやマンション、工場、ビル、大型商業施設など工事作業を行える範囲が増えます。
最大電力500キロワットまでの大規模な電気工作物の工事を行うことができ、幅広い現場で活躍することができます。
第一種と第二種は実際に現場での工事作業をする仕事になります。
現場での経験を積み、判断できる範囲が広がれば責任者や監督などを行える資格にも挑戦することができ、電気工事士として更に成長できるでしょう。
年収を比較
ここでは、資格を持たない見習い期間中の方、第二種電気工事士、第一種電気工事士の3つの年収を比べてみましょう。
無資格・見習い期間…平均約320万円前後
第二種電気工事士…平均約450万円前後
第一種電気工事士…平均約550万円前後
資格取得や実務経験を積み一人前になると、無資格・未経験で働き始めた時よりも年収は約200万円昇給することが分かります。
給料構成として、『年齢や勤務年数で決定される基本給』と『会社が推奨する国家資格を取得することで支給される手当(手当ではなく基本給を昇格させる会社もあり)』の2つの要素があります。
今回は無資格と2つの資格で比べましたが、電気工事に関わる資格は他にもあり、お持ちの資格により、待遇面も変わってきます。
経験年数を積みスキルを磨くだけでなく、資格を取得することによって仕事の幅を広げ昇給にも繋がりますので、やりがいを感じることができるでしょう。
資格を活かした仕事
第二種電気工事士と第一種電気工事士の違いについてご説明してきました。
無資格でも行うことができる仕事もありますが、特に新卒の就職の際には実務経験がない分、第二種電気工事士を取得していることは有利となるでしょう。
そのあとも油断はせずに、3年もしくは5年経験を積んで第一種電気工事士の資格を取得すれば転職活動にもプラスとなり、希望する会社への就職も望めます。
常に求められる仕事となり、将来性もある為一生仕事に困ることのない職種です。
せっかく働くのであれば、目標を持ち、手に職をつけて仕事に向き合っていきましょう!