2022/03/18
電気工事施工管理技士にできること!仕事内容から給料、資格取得方法をご紹介!!
電気工事のスペシャリストとも言える国家資格の「電気工事施工管理技士」。建設工事の現場において電気工事の施工計画をはじめ、工程や安全の管理を担うといった管理業務に特化した資格です。
責任の大きい仕事を行う「電気工事施工管理技士」について、資格取得までの流れや給料、仕事内容について詳しくご紹介していきます!
電気工事施工管理技士って?
電気工事の施工管理は、「電気工事施工管理技士」の資格がないと行えません。
電気工事施工管理技士とは、電気工事の施工計画の作成、工程・安全・品質の管理等を行い、電気工事の監督を行うことができる国家資格です。どれも建造物の建設や増築などに必要な作業となります。
1級と2級に区分されるので、仕事内容と共にご紹介します。
仕事内容
建設工事現場における照明設備工事、変電設備工事、発電設備工事、送配電線工事、構内電気設備工事、非常用電源設備工事、電車線工事、信号設備工事などの施工管理をすることが主な仕事です。
施工管理は、電気工事が設計図通りに、予算内に安全に進めるために、施工計画・工程管理・安全管理・品質管理を軸にして行われます。
また、施工管理の仕事は工事の発注者や設計者、工事現場で働く多数の作業員等、仕事においてとても大勢の人と関わります。人間関係を構築していくことも、スムーズに工事が進むよう必要な技術となります。
この中で1級と2級の違いは、
1級 | ビルや商業施設など規模の大きい案件(総額4000万円以上)で下請けに依頼をするような現場で活躍できます。 また、特定建設業の営業所毎に置くことが義務付けられている専任技術者、主任技術者、管理技術者になることができます。 |
2級 | 4000万円未満の中小規模の建設現場で仕事を行うことができます。 さらに、一般建設業の専任技術者もしくは主任技術者になることができます。 |
仕事内容に大きな違いはありません。管理できる現場の規模に違いがあるので、もっと大きい案件にも挑戦していきたいという方は、1級の取得も目指してみるのもいいかもしれません。
では、資格取得までの流れを見ていきましょう。
資格取得するには
電気工事施工管理技士1級および2級の国家試験に合格することで、電気工事施工管理技士として働くことができます。
まず、電気工事施工管理技士には受験資格があります。誰でも簡単に受験できる資格ではありませんが、2021年4月より受験資格が緩和されました。
今まで学科試験と実地試験で行われてきました。その名称が学科試験は「第一次検定」、実地試験は「第二次検定」に変更となります。
2級の場合、第一次検定は17歳以上であれば受験資格があります。第二次検定の受験資格は電気工事士等の資格を保有していない場合は、第一次検定合格者となり同日受験はできませんが、第二種電気工事士免状を保有している場合、通算経験年数が1年以上あれば同日受験が可能です。(その他資格・学歴要件もあります)
1級の場合、第一次検定の受験資格は2級の第二次検定合格者、第二次検定の受験資格は2級の第二次検定合格後5年以上の実務経験が必要となります。
2級と同様に電気工事士免状を受けた者の緩和要件はあり、第一種電気工事士免状であれば、実務経験年数を問わず受験資格があります。
1級・2級の受験資格は電気工事士資格以外のその他の資格・学歴要件もあります。
また、第一次検定に合格すると「技士補」の資格の付与が新しく設けられました。「技士補」が与えられると、第一次検定が免除となり第二次検定を何度でも受験することができます。
詳しい受験資格についてはこちらをご覧ください。
https://www.fcip-shiken.jp/den2/
1級電気工事施工管理技士の試験内容
試験内容/学科(2019年度の場合)
電気工学について:15問中10問を選択
電気設備について:33問中15問を選択
関連分野について:8問中5問を選択
設計・契約関係について:2問
工事施工について:9問中6問を選択
施工管理について:12問
法規について:13問中10問
試験内容/実地(2019年度の場合)
施工経験記述について:1問
施工管理について:2問
電気設備全般:1問
法規:1問
試験形式
学科:出題される92問のうち60問を選択、マークシート方式、四肢択一
実地:出題数5問、記述式
2級電気工事施工管理技士の試験内容
試験内容/学科(2019年度の場合)
電気工学について:12問中8問を選択
電気設備について:20問中11問を選択
関連分野について:6問中3問を選択
設計・契約関係について:1問
施工管理について:13問中9問
法規について:12問中8問
試験形式
学科…出題される64問のうち40問を選択、マークシート方式、四肢択一
実地…出題数5問、記述式
第二種電気工事士資格と実務経験が1年以上あれば、学科試験と実地試験を1回で受けることができる2級は、挑戦しやすいかもしれません。1級を取得すると年収アップや転職先の選択肢を増やすことができます。しかし、1級電気工事施工管理技士の受験を申し込んでから合格証明書交付までは約半年以上かかるので注意が必要です。
試験の難易度は1級のほうが高めではありますが、合格率はどちらも5割程度で差はありません。
1級の受験資格がある方は、2級から受験する必要はないので自身の電気工事の知識や実務経験、担当する現場条件を考え自分に合った試験を受験しましょう。
平均年収は?
平均年収は440万円となっています。転職や昇格にメリットがある1級を取得していると、年収500~700万円程度を見込むことができます。
多くの企業で毎月資格手当の支給があり、月1万円~1万5千円程度となっています。
学歴や経験で差の付きやすい職種ではあります。しかし資格の取得や経験を積む、現場監督を目指したりなど年収アップの方法はいくつかあります。すぐに実践できないものもありますが、自分のスキルを磨きながら年収も上がっていくことは新しい目標を見つけるきっかけにもなるでしょう。
まとめ
1級・2級電気工事施工管理技士の資格がないと業務を行うことができない電気工事施工管理技士。管理を担うためには資格試験の合格が必須となるので、試験対策が重要となります。
特に働きながら試験に挑戦する場合などは、取得までにかかる日数や勉強時間の確保など、しっかり考慮しなければなりません。事前準備をしっかり行い、スムーズに試験に挑めるようにしておきましょう。
いざ、取得し仕事に活かす際は、建設業界における転職や昇進はもちろんのこと、工事の発注者・設計者、職人への説明時にも説得力が感じられ、以前よりもスムーズに仕事が進められるようになり、自信に繋がるはずです。